今月の対談「いい人いい話いい氣づき」

2021年4月「板野 肯三」さん

板野肯三

板野 肯三(いたの・こうぞう)さん

1948年岡山県生まれ。東京大学理学部物理学科卒。専門はコンピュータ工学。筑波大学システム情報工学研究科長、学術情報メディアセンター長、評議員、学長特別補佐等を歴任。現在、筑波大学名誉教授。著書に「地球人のための超植物入門」(アセンド・ラピス)など。

『霊性に目覚める人が増えれば地球が癒され問題は解決する』

山にも川にも地球にも 魂が宿っている

中川:
 板野先生の書かれた『コロナから世界を観る』を読ませていただきました。先生は東京大学理学部物理学科を卒業後、筑波大学でシステム情報工学研究科の教授として科学の最前線でご活躍されていたわけですが、この本にはスピリチュアルなことがたくさん書かれていてびっくりしました。
 お持ちいただいた『地球人のための超植物入門』という本も「森の精が語る知られざる生命エネルギーの世界」というサブタイトルがついています。パラパラと拝見したら、植物の精霊とお話するといった話が書かれていました。とてもコンピュータがご専門の方が書かれるような内容ではないように思いますが(笑)、もともとスピリチュアルなことにも関心があったのでしょうか。
板野:
 若いころから宗教書は読み漁っていましたから、興味があったと言えばあったと思います。でも、知識レベルの興味でしかありませんでした。
 初めて霊的な体験をしたのは結婚して間もないころでした。その何年か前には家内が幽体離脱のような体験をしたこともあって、布団の上に寝転がって、魂というのは本当にあるのだろうかととりとめもなく考えていました。
 すると、突然、体や頭が内部から発熱するように熱くなって、心の中からだれかが語りかけているように感じました。耳から聴こえる声ではありません。男性のようでした。「あなたを見守っていた」とか「あなたが女性の科学者として世に出るためには、それしかなかった」とか「再会できてとてもうれしい」とか、そんな言葉を感じ取りました。でも私は男性です。何のことだろうと思っていると、「これは過去世のことだ」とピンときました。過去世の自分は女性の科学者で夫と死別していて、そのときの夫が出てきたのだ、と記憶がよみがえったような気がしました。懐かしさ、うれしさが込み上げてきて、涙が流れてきました。
 理屈抜きに、魂はあるのだと実感しました。そういうことがあってから、見えないエネルギーを感じるようになりました。
中川:
 奥様が幽体離脱をされたとおっしゃいましたが、奥様もスピリチュアルな方なんですか。
板野:
 幽体離脱なんて初めてのことだし、当時はスピリチュアルなことは話さなかったと思います。だけど、最近になって、理論的な説明は私の方が得意ですが、スピリチュアルな感覚は家内の方が鋭いのではと思うことはよくありますね(笑)。
 よく「この部屋は磁場がいい」と言います。磁場というのも独特の言葉ですよね。物理学で言う磁場ならよくわかるのですが、霊的な意味での磁場はまた違うんですね。その空間とかその人が漂わせている霊的エネルギーの個性を磁場と表現することが多いみたいですね。家内は、霊的な磁場を感じるのが私よりもはるかに敏感です。家や土地を買うときとか、そういう感覚は役に立つかもしれませんね。
中川:
 その土地特有のエネルギーがありますからね。パワースポットもある種のエネルギーをもった土地のことを言うと思います。引っ越しをしたことで、急に運が良くなったり、逆に体調が悪くなったりする人もいますしね。土地のエネルギーが関係していると、私は思います。
板野:
 宗教的な本を読むと「自然霊」のことがよく書かれています。山とか川とか岩、樹木などに宿っている霊があるということですが、山とか川は体に当たるんでしょうね。富士山は体でそこに霊とか魂が宿っているという考え方ですが、私もそう思っています。
中川:
 地球にも魂が宿っているわけですね。
板野:
 地球も一つの生命体だと言ったのはジェームス・ラブロック博士です。1960年代のことで、ガイア仮説とかガイア理論と呼んでいます。エビデンスがあるわけではないので科学者には受けが良くありませんでしたが、エコロジストには受けたようです。
 もっとも、科学はまだ生命そのものをとらえることができていないわけで、地球が生命体かどうかを議論するというのはどだい無理なことです。
中川:
 科学がもっと進歩しないことには生命のことはわからないんでしょうね。先生のような科学者がもっと増えるといいのですが。
板野:
 物理学は科学の中ではもっとも宗教的な学問です。宇宙全体のことを追求するのですから。今の物理学でも量子のような物質レベルを超えた現象が見えてきています。
 物理学には、この世界がどういう仕組みになっているか、その基本が詰まっているように、私は思っています。
中川:
 先生は植物に対してとても親近感をもっておられるようですが。
板野:
 コンピュータをやっていたのですが、生き物にアプローチしないと、この世の仕組みの本質に近づけないのではと思っていたころ、野澤重雄さんという方に出会いました。野澤さんはハイポニカという水耕栽培法で1本のトマトの木から1万7000個のトマトを収穫したことで有名になりました。水耕栽培というのは、水に肥料を溶け込ませて、これを根に循環させる方法です。水耕栽培を成功させるには、肥料の組成とか光の量とか炭酸ガスの温度とか、管理がとても大変です。
 でも、私にはとても魅かれるものがあって、野澤さんにお話をお聞きしました。

<後略>

2021年1月27日 株式会社エス・エー・エス東京センターにて 構成/小原田泰久

著書の紹介

地球人のための超植物入門ー森の精が語る知られざる生命エネルギーの世界
板野肯三(著) アセンド・ラピス

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