今月の対談「いい人いい話いい氣づき」

2005年5月 「龍村 修」さん

龍村 修(たつむら おさむ)さん

1948年兵庫県生まれ。早稲田大学文学部卒業。1973年求道ヨガの世界的権威、沖正弘導師に入門。内弟子幹部として世界中で活躍。85年導師没後、沖ヨガ修道場長を経て、94年龍村ヨガ研究所を創立。現在、龍村ヨガ研究所所長、国際総合生活ヨガ研修会主宰。著書に『深い呼吸でからだが変わる』(草思社刊)『生き方としてのヨガ』(人文書院刊)。

『真のヨガと真氣光を学べる研修講座は最高です』

精神的なものを重視する龍村先生のヨガを

中川:
龍村先生には、真氣光研修講座が伊豆の下田でスタートした当初からご縁をいただいていますから、もう15年以上になります。随分長い年月になりました。いつも有り難うございます。
先生のご著書もたくさんの方に読まれていて、また最近は新聞や雑誌などの取材も多いようですね。『日経ヘルス』には何回も連載されていますし、先日、家内が『家庭画報』の冊子を見ていたらカラーページに先生が写真入りで大きく紹介されていて、「あら、龍村先生!」と驚いていました(笑)。
龍村:
ええ、お蔭様で、月刊『ハイゲンキ』に連載させていただいたものをベースにしてまとめた『生き方としてのヨガ』も2001年に発刊されてコンスタントに読まれていますし、相次いで同じ年に草思社から出版された『深い呼吸でからだが変わる』は4年間で10刷されて売上は32000冊と、随分好評をいただいています。これがひとつの機となって、取材依頼が毎月のように寄せられるようになりました。
『日経ヘルス』からは、去年の夏に釈由美子さんが私のヨガの指導を受けるという形での取材があり、その後、1年の連載が決まって、今年の4月号で6回連載したところです。イラストレーターや、編集の人、カメラマン、ライターと、いつも3、4人で取材にみえて、お金を払って一生徒として私の講座を受講されています。「腹式呼吸をすると腸が動きますよ」と言ったら、「ホントですか?」と大学の研究所に行って、バリウムを呑んで、その動きの科学的データをとったりしているんですよ。大学の教授が「腹式呼吸って、こんなに効果があるの!」と、びっくりしていたりね(笑)。
中川:
最近は、ヨガがブームで、スポーツジムやカルチャースクールなどでも、たくさんヨガ教室が開かれているようですね。身体の健康法として。でも、いろいろとヨガと呼ばれるものがある中で、先生のなさっておられる沖ヨガは、身体を通して心の持ち方を学ぶというところで、真氣光と方向が同じでマッチしていますね。
龍村:
今、世の中は「アンチエイジ」が求められています。老化を遅らせて、肉体的に年より若くいたいという欲求です。それで、美しくなるためのヨガ、痩せるためのヨガ、などと銘打った、エクササイズとしてのヨガがはやっています。でも、ヨガは3千年も4千年も昔からあるのです。そんな頃に、痩せたい、なんていう需要はあったでしょうか(笑)。
ヨガは体操のように見えることをするものだから、多くの人はそのことに目を奪われて、身体のために行っていると思ってしまうようです。「私は身体が硬いからヨガはちょっと…」などと、「私はヒジを痛めているので、ちょっとテニスはできない」というのと同じように使っています。
ヨガの本来の意味は、「神と結ぶ」ということなのです。自分と神を結ぶ行為なのですから、宇宙と一体になるというような感覚が出てくるのです。ポーズはあくまでも、ひとつの手段なのです。自然法則、宇宙法則に気づく、そのための手段ですね。
日本には奈良時代からヨガは伽(ユガ)として入ってきていますが、今流行のヨガはインドから伝えられたものです。地域によって発達の仕方が違っていました。大雑把に言うと、北部は昔からの伝統的な行を通してですが、南部の系統はシステマティックなポーズの修得法が特徴です。A、B、C… というように段階がはっきりしていたために、欧米人に受け入れられやすかったようです。
中川:
身体も使って健康に良さそうですし、ヨガのポーズが、欧米の方たちに東洋的で神秘的に感じられたのでしょう。
龍村:
そうですね。それまで日本には北部系のヨガしか入ってきていませんでしたが、1980年に私の師匠である沖正弘導師が、東京、大阪、名古屋で「ヨガ世界大会」を開催し、北部と南部の両方を紹介指導されました。この南部系のヨガが欧米社会の中心に広まっていって、精神性や瞑想よりはエアロビックのような要素が強くなっていったのが、この頃、女優さんも取り入れているということで人気になっているパワーヨガです。
南部系を基本としたものは、1から10までポーズが決まっていて、連続して行うと2時間もかかります。それを全部通して行ってから、はじめて身体を休めるポーズに入るのですが、これは一般の方にはとてもできません。それでヨガ指導者たちは独自に、幾つかのポーズを組み合わせてバリエーションを決めて教えているようです。
私の指導するヨガの基本は、一つのポーズを行った後は身体を休め、鎮める。動と静ですね、動きの後には緩める。本来は身体を動かしていても、それは「冥想」なのです。呼吸と身体と心、意識を一体化していく。そうしていって徐々に冥想の準備をしていくわけです。呼吸と動作は切り離せません。一緒に行います。パワーヨガも指導させてもらっていますが、修正法を入れた独自の内容で行っています。

<後略>

(2005年3月17日 奈良県生駒市の真氣光研修所にて 構成 須田玲子)

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