今月の対談「いい人いい話いい氣づき」

2014年6月 「岩崎 靖子」さん

岩崎 靖子(いわさき やすこ)さん

映像作家。OLから転身し、映画を撮り始める。2007年に、入江富美子監督の「1/4の奇跡」をプロデュースし、映画を配給するためのNPO法人「ハートオブミラクル」を設立。その後、監督として、「宇宙の約束」「僕のうしろに道はできる」「日本一幸せな従業員をつくる!」を次々と発表。たくさんの気づきを与える映画作りを続けている。ハートオブミラクル http://www.heartofmiracle.net/●自主上映を希望される方、上映に関する最新情報は、ホームページをご覧ください。http://www.heartofmiracle.net/

『夢や希望を失わないで!こんなにもすてきな生き方がある』

まるごとの自分を受け入れることができたことで大きく変われた

中川:
岩崎さんの撮られた「僕のうしろに道はできる~奇跡が奇跡でなくなる日に向かって」という映画を拝見しました。脳幹出血で倒れて、あと3時間の命と言われた男性(注:宮田俊也さん=愛称・宮ぷー)が奇跡的に回復していくドキュメンタリーですが、その男性を一生懸命に介護されていたのが山元加津子さんでした。山元さんとは、1999年に、彼女のご自宅にうかがって対談させていただきましたから、懐かしい思いで映像を見させていただきました。あの当時、山元さんは、特別支援学校の先生で、彼女の人柄というか、一生懸命さというか、何とも言えない温かな雰囲気によって、障がいをもった子どもたちとの間にとても強い信頼関係ができているという話に、私はとても感動しました。中には、すてきな詩を書くなど、もっている能力を最大限に発揮できるようになった生徒もいるといった話も聞かせてもらったのを覚えています。
岩崎:
映画を見てくださって、本当にありがとうございます。そんなにも前から、かっこちゃん(注:山元加津子さんはまわりから「かっこちゃん」と呼ばれている)をご存知だったとはびっくりです。本当にすてきな方です。
中川:
岩崎さんは、今は、ドキュメンタリー映画の監督さんという肩書ですが、もともと、映画関係の仕事をしておられたのですか。
岩崎:
いえいえ、ずっとOLをやっていました(笑)。OLをやめて10年くらいになります。「僕のうしろに道はできる」は、私にとっては3作目の作品です。
中川:
どうして、OLをやっておられた方が映画を撮るようになったのですか。何かきっかけがあったと思うのですが、とても興味深いですね。
岩崎:
OL時代の私というのは、ちょっとしたことですぐに落ち込んでしまうタイプでした。ホント、ヘコタレ虫でした。人前に出ると極度に緊張するし、生きて行くのがとても大変でした。そんな自分を何とかしたいと、コーチングを受けたりしていたのですが、そのときに、コーチから言われたひと言が、私の人生を変えましたね。そのコーチは、「心理的なことと結果とは関係ない。自信がない人の方がいい結果を出すものだ」と教えてくれました。つまり、自信があるとかないということと、いい結果が出るかどうかは関係ないと言うのです。自信がないからいい結果が出せないと思い込んでいた私にはびっくりするような言葉で、自信がなくてもいいんだ、ヘコタレ虫でもいいんだと、そのときはじめて、自分を受け入れることができました。
このままの自分で、やりたいことにチャレンジしてもいいんだと思ったら、人前に出ることをあんなにも嫌がっていたのに、今度は、人前に出てみたくてたまらなくなりました。女優もやったことがあるんですよ。コマーシャルなんかに出たりしました。でも、こういう役をやりたいというこだわりがあって、女優を続けるのは無理だと思い、それなら大好きなドキュメンタリー映画を撮ろうと、方向転換したわけです。
中川:
そうですか。変われないと悩んでいる人が多いのに、OLから女優、そして映画監督と、この転身はすごいですね。それも、変わらなくていいと気づいたら変わるんですからね。ちょっとしたアドバイスで、ぱーっと世界が開けたわけですね。
岩崎:
そうなんですね。でも、映画監督をするとは思ってもみませんでしたけどね(笑)。振り返ってみれば、人との出会いが大きかったなと思います。
中川:
山元さんとの出会いは大きかったでしょうね。
岩崎:
そうですね。もともとは、今、一緒に映画を作っている入江富美子さんという監督のご縁です。私たちは、ふーちゃんと呼んでいますが、ふーちゃんもすごい人ですよ。一人の平凡な主婦が、大晦日の夜、感謝を呼び起こす映画を作るんだというひらめきをもらって、かっこちゃんを撮り始めました。でも、彼女は映画なんて撮ったこともないし、かっこちゃんとも会ったことがありませんでした。かっこちゃんの描いた絵の展覧会に一度行っただけでした。感じるところはあったのでしょうが、まったく無謀な話ですよ。ふーちゃんは、初めてかっこちゃんの講演会に行って、カメラを回すわけですが、その映像はとても使い物にならないものでした。彼女は、かっこちゃんの話に感動して、カメラを回しながら泣いているわけですよ。だから、鼻水をすする音が、いっぱい入っている。それじゃとても使えません(笑)。そんなド素人が作った映画が、何と、世界16か国で上映されているんですからね。「1/4の奇跡~本当のことだから~」という映画です。ぜひ、ご覧ください。

<後略>

(2014年4月11日 東京都中央区内の喫茶室にて 構成 小原田泰久)

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