今月の対談「いい人いい話いい氣づき」

2010年4月 「清水 博」さん

清水 博(しみず ひろし)さん

1932年愛知県生まれ。東京大学医学部薬学科卒業。九州大学理学部教授、東京大学薬学部教授をへて、現在、NPO 場の研究所理事長(研究所長)。著書に、「生命を捉えなおす」(中公新書)「生命知としての場の論理」(中公新書)「場の思想」(東京大学出版会)など。

『場の文化によって現代の行き詰まりを打破する』

私たちは命の居場所で生きているのであって、一人で生きているのではない

中川:
はじめまして。今日は、先生の場の理論をお聞きしたくておうかがいしました。私どもは、生命エネルギーである氣という側面から生き方とか考え方を見直していこうという活動をしていますが、なかなか論理的に説明するのが難しいんですね。先生のように科学的な立場から、漢字についてちょっとお話させてください。漢字というのは、王様が神様と交信するために36世紀前に作られたという話です。陽という字のこざと偏は、梯子を意味しているんですね。そこから神様が降りてくる。そして、つくりのは、まが玉が台の上で光っている様子です。だから、陽というのは、神様が降りて来られて、そこで式典をするという意味です。土偏にで、「場」ですね。これは、式典をする場所のこと。偏にの「揚」は、人が神様を呼んでいる様子。木偏にの「楊」は木に旗を立てて神様を呼んでいる。さんずいにで「湯」ですが、これは川の側で式典をすることです。こうやって覚えると、漢字はとても面白いものです。「口」という字は、人間の口の形が元になっていると聞いたことがありませんか。でも、そんなのおかしいでしょう。四角い口なんかありませんよ。もうお亡くなりになりましたが、有名な漢字学者の白川静先生が、「サイ」という言い方で、口は祝詞を収める箱の形だと解釈されています。だから、古いという字は、十字の剣で祝詞や呪いを抑えていることを示しています。兄というのは、その家の中でももっとも大切な祝詞箱をもっている人を表しています。

<後略>

(2010年1月13日 東京都中央区にあるNPO法人 場の研究所にて 構成 小原田泰久)

著書の紹介

『場の思想』 (東京大学出版会)
NPO法人 場の研究所 ホームページ http://www.banokenkyujo.org/

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