ひとくち歳時記「五山の送り火」

 「五山の送り火(ござんのおくりび)」は、お盆に帰ってきた先祖の精霊を再び送る行事です。
室町時代以降から行われていると言われ、京都を囲む五つの山に「大文字」「左大文字」「船形」「鳥居型」「妙法」をかたどった火を灯すというものです。
荘厳な雰囲気で、火がつくと、歓声とどよめきが起こります。
(本社 加藤)
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ひとくち歳時記「大暑」

 「大暑(たいしょ)」は二十四節気のひとつで、一年中で最も暑い頃を指します。
今年は7月23日です。
梅雨が明けて蝉の大合唱が響きわたり、本格的な夏到来です。
夏の土用の最中で、暑気払いのスタミナをつけたくなる頃です。
大暑の日に食堂に入ると天ぷら定食が一押しメニューになっていたり、スーパーで天ぷらが売り出しになっていたりします。
実は、大暑の日は「天ぷらの日」として、7月20日頃の「土用の丑の日」、8月29日の「焼き肉の日」と並んで「夏バテ防止三大食べ物記念日」とされています。
「天ぷらの日」は、暑さに負けないように、栄養豊富な天ぷらを食べて夏を乗り切ろうという意味があります。
また、夏の暑さに打ち勝つためには、「う」のつく食べ物を摂ると良いとも言われています。
具体的に挙げると、「うなぎ」「梅干し」「うどん」です。
「うなぎ」には夏バテ防止効果があるビタミンB1やビタミンAが豊富に含まれていますし、「梅干し」は疲労回復に役立つクエン酸が効果を発揮してくれます。
暑い夏はスタミナのあるものを食べて、夏バテにならないように気をつけましょう。
(本社 加藤)
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ひとくち歳時記「小暑」&「七夕」

 「小暑(しょうしょ)」は二十四節気のひとつで、今年は7月7日です。
梅雨明けが近く、この日から暑気に入り、暑さが厳しくなり始めます。
梅雨明け前の集中豪雨に見舞われることが多い一方、蓮の花が咲き、鷹の子の巣立ちが始まる頃でもあります。
7月7日は「七夕(たなばた)」でもあります。
笹飾りとお供え物をして、夜空の星に祈りを捧げる日です。
五節句のひとつで、昔は「シチセキ」と呼ばれていました。
天の川の両岸にある牽牛星と織女星がこの日、年に一度だけ会えるという中国の「星伝説」と、五色の短冊に歌や字を書いて飾りつけ、書道や裁縫の上達を願う中国伝来の「乞巧奠(きっこうでん)」の行事と、日本古来の「棚機女(たなばたつめ)」の伝説が結びついて、宮中で行われたことが始まりだと言われています。
(本社 加藤)
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ひとくち歳時記「穀雨」

 「穀雨(こくう)」は二十四節気のひとつで、4月20日頃の穀物の種まきの時期を迎える頃の春の雨のことです。
穀雨の名に込められているように、春の雨は作物にとって恵みの雨です。
それだけに、この時期にはさまざまな雨の名があります。
穀物を育む雨を瑞雨(ずいう)と言い、草木を潤す雨を甘雨(かんう)と言います。
春の長雨は、春霖(しゅんりん)。
早く咲いてと、花に促す催花雨(さいかう)。
菜の花が咲く頃に降る菜種梅雨(なたねづゆ)。
長く降りすぎて、うつぎの花が腐ってしまうほどという「卯の花腐し(うのはなくたし)」。
数ある雨の呼び名からも、人々の雨に対する思いが伝わってきます。
(本社 加藤)
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ひとくち歳時記「すす払い」

 「すす払い」は、古くは一年間のすすやほこりを払い、家の中を掃き清め、新年の五穀豊穣を年神様に祈る行事でした。
江戸時代になると12月13日に年神様を迎えるための準備である「正月事始め」をするようになりました。
この日に神棚や仏壇のすすを払って清め、20日までに餅をつき、正月飾りの準備をしました。
現代は掃除機や科学雑巾など便利な道具がありますが、昔は竹竿の先に藁(わら)をくくりつけた「すす梵天(ぼんてん)」というはたきを使用していました。
そして掃除が終わった後に外に立てて飾り、小正月に正月飾りと一緒に焼くという習慣がありました。
毎年、年の瀬が迫った時期に慌ただしく大掃除をするのではなく、早めにスケジュールを立てて取り掛かるのが良さそうです。
さらに部屋のあちこちに真氣光のシールを貼っている場合は新しいものに貼りかえると気分一新して新年を迎えられることでしょう。
(本社 加藤)
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ひとくち歳時記「事納め(事八日)」

 12月8日は、農作業を終えることから「事納め(ことおさめ)」または「事八日(ことようか)」と言います。
「事納め(事八日)」は物忌みの日で、何事も控えた方が良い日とされ、針仕事を休んで、折れた針を供養する「針供養の日」となりました。
一年間使って折れた針を、コンニャクや豆腐などの柔らかい物に刺して神社に奉納し、裁縫の上達を祈願していました。
また江戸時代には、この日に小豆や里芋、人参やコンニャクなどを入れた「御事汁(ごじる)」を食べたと言われています。
(本社 加藤)
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ひとくち歳時記「小春日和」

 「小春日和(こはるびより)」は、陰暦10月の別称で、太陽暦ではほぼ11月から12月上旬に相当する時期です。
その頃の穏やかな好天が小春日和で、日なたは暖かいが、日陰はひんやりしており、夜は冷え込みます。
低気圧が平地に雨、高山に雪を降らせて日本の東に抜けた後、大陸から高気圧が張り出して、気圧配置は西高東低型となり冷たい北風が強めに吹きますが、翌日は大陸高気圧は移動性となり、風は弱まって小春日和となります。
小春日和にほぼ相当するものが、北アメリカやヨーロッパにもあり、「インディアン・サマー」、「老婦人の夏」と呼ばれています。
(本社 加藤)
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ひとくち歳時記「初時雨」

 『初しぐれ 猿も小蓑を ほしげなり』(芭蕉)。
「初時雨(はつしぐれ)」とは、その年の冬の初めての時雨で、冬になってしまったという気持ちが、この季語には込められています。
そろそろ時雨が降るようになる頃です。
ふいに強い雨が降りかかり、見る間に去っては青空が広がる時雨は、晩秋から初冬にかけての空模様です。
一所だけに降る片時雨や、横なぐりの横時雨、また訪れる時々で朝時雨、夕時雨、小夜時雨(さよしぐれ)などもあります。
その年の秋の初時雨は、野山の生き物も人もそろそろ冬支度を始める合図となります。
(本社 加藤)
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ひとくち歳時記「秋祭り」

 「秋祭り」は、収穫の感謝と来年の豊作を祈願する、土地の守護神のお祭りです。
農耕社会だった日本の村々で農耕儀礼と結びつくものが多く、田の神送りの意味もあります。
「神楽(かぐら)」は、神祭りから始まった神事芸能と言われ、「祈る心」を形にして芸能化されたものです。
現在では集落の祭りとして行われ、神事に伴う歌と踊りの方が主体となっています。
「田楽(でんがく)」は、民間の農耕芸能から出て、平安時代に遊芸化されたものです。
田植えの時に田の神を祭り歌い舞ったのが原形で、能楽のもとである「猿楽(さるがく)」との関係が深いものです。
味噌田楽焼きは豆腐などに練り味噌を塗って焼いたもので、田楽を舞う姿に似ていることに由来しています。
秋祭りの中でも「火祭り」は有名で、京都鞍馬の火祭り、那智の火祭り、秩父の夜祭りなどが代表的です。
火は祖霊を呼び、ケガレを焼き、祓い清めると言われています。
土地の守護神は、「鎮守様(ちんじゅさま)」と呼ばれ、土地の住民は、家内安全、五穀豊穣、交通安全などのお願いごとをするためにお参りします。
(本社 加藤)
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ひとくち歳時記「白露」

 「白露(はくろ)」は二十四節気のひとつで、今年は9月7日です。
昼夜の気温差が大きくなると、朝夕には露が降りるようになります。
昔の人はこの露のことを白露と名付けました。
早朝、空が白む頃に見られた露は、太陽が昇ると姿を消し、草木や土の匂いも露とともに消えてしまいます。
その儚(はかな)さが秋らしく情緒豊かなものです。
一方、田畑や里山では待ちに待った実りの季節が始まります。
夏の日差しを受けて大きく成長し色づいた食材があちこちで今か今かと収穫の時を待っているようです。
(本社 加藤)
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