ひとくち歳時記「穀雨」

 「穀雨(こくう)」は二十四節気のひとつで、4月20日頃の穀物の種まきの時期を迎える頃の春の雨のことです。
穀雨の名に込められているように、春の雨は作物にとって恵みの雨です。
それだけに、この時期にはさまざまな雨の名があります。
穀物を育む雨を瑞雨(ずいう)と言い、草木を潤す雨を甘雨(かんう)と言います。
春の長雨は、春霖(しゅんりん)。
早く咲いてと、花に促す催花雨(さいかう)。
菜の花が咲く頃に降る菜種梅雨(なたねづゆ)。
長く降りすぎて、うつぎの花が腐ってしまうほどという「卯の花腐し(うのはなくたし)」。
数ある雨の呼び名からも、人々の雨に対する思いが伝わってきます。
(本社 加藤)
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