ある日の会長セッションでの出来事です。Aさんが頭が痛いというので、みんなでハイゲンキをしていると、してあげていたBさんのお腹が急に痛くなってきたのです。結局Bさんの方が苦しそうなので、皆で二人を囲むことになりました。私も一緒に氣を送らせてもらいました。しばらくすると、Bさんは隣に寝ているAさんを叩き始めたのです。どうしたのかと思っていると、Bさんが「こいつの先祖に、苦しめられたんだ。」と、叩くのをやめて、話を始めたのです。「俺は悔しいんだ。一生懸命、精魂込めて大事に育てた米を、こいつの先祖は全部持って行きやがった。もともと、人は皆平等じゃないか。だけど生まれたところがちょっと違うだけで、俺達みたいな者は、こんなひどい目に遭うんだ。」そう言って拳を床に叩きつけるのです。私は氣を送りながら、昔の不平等なくらしの事を思いました。武士の子は武士に、地主の子は地主、小作人の子は小作人に、生まれでほとんどすべてが決まる時代です。一生懸命やっても、何も変わらないんです。さぞ辛かったろうなぁと思いました。この人達が辛い中を生きてくれたからこそ、私達はそんな制度の過ちに気づき、少しづつ世の中が変わって来たのです。今、私達が何不自由なく生きられるのは、この人達のお陰だなぁと、しみじみ思いながら私は一生懸命氣を送りました。光が届いてきたのでしょうか。「俺達は土の奥底でずっと苦しんでいた。そこに一筋の光が差し込んで来たんだ。ああ、ありがたい。本当にありがたい。こいつが土地に埋めてくれた石から、光が差し込んで来たんだ。やっと俺達がこんなに辛いっていうことを、わかってもらえた。」Aさんが以前土地の四隅に埋めた水晶から、真氣光が届いていたのです。そしてハイゲンキをしてくれている周りの皆にたくさんの光をもらって、どんどん楽になっているのです。魂は永遠です。死んで終わりではありません。私は、その人に言いました。「あなたには、まだまだ出来ることがあるんです。」すると「地位も名誉も金も無い、こんな俺にできることがあるのか?」と尋ねます。私は「こんなに苦労したあなただから、同じように苦労している人の気持ちがよくわかり、本当の意味で力になれると思います。」と答えました。「そうか、出来ることがあるのか。・・・ありがとう、ありがとう。」と、光の世界に旅立って行きました。まだまだこの地球上には、自由や平等が十分ではなく陰で泣いている人がたくさんいます。その魂は、苦しんでいる人たちの強い力になってくれることでしょう。折しも選挙シーズンが始まりました。当時の人にとっては、考えられないほど羨ましいことでしょう。私も本社での会議の前に、不在者投票に行って来ようかと考えているところです。