声と心をつなぐ氣

2月の研修講座が今週の月曜日に終わりました。やはり以前より一日少ない3泊4日は、時間的にもアッという間です。その研修講座には、いつも音感行法という音楽に触れる時間を設けておりますが、今月は‘90年の開講以来、通算196回を通して初めての出来事、講座の中で合唱団をお迎えすることができました。その合唱団とは、月刊ハイゲンキや本誌でも何回か話題に上っているSASミュージックサークルの皆さんのことです。メンバーの皆さんも研修講座を受講したことがある、いわば同窓生、氣をお分けする実習も体験している方々です。私はこれまで何回か、ミュージックサークルの皆さんの歌声を聞いたことがありますが、当日はいつもにも増して素晴らしい出来栄えで、そのハーモニーに感心してしまいました。施設のホールの関係もあったのでしょうか?男性の低音が良く響いていたように思いました。皆さん結成当時は合唱などやったこともない人ばかりだったと聞いていますが、そのような事は全く感じさせないものでした。私は音楽が好きで、いろいろなジャンルのものを聞きますが、合唱曲も好きなものの一つです。特に思い出すのは、街ではメジャーな合唱団に入っていた小学生のときの友人です。彼は、ボーイ・ソプラノという声ばかりではなく、見た目もかっこ良くクールな感じで、クラスの女子の憧れの的でした。当時私は野球好きの少年で、全くタイプが違ったのですが、彼に仲良くしてもらったおかげで、合唱というものにも興味を持つことができ、ずいぶん幅が拡がったように思います。昨年の今頃発売になった「クワイヤーボーイズ」という3人の少年グループが出した、同名タイトルのCDがあります。その解説書によりますと、ボーイ・ソプラノは変声期を迎える前のわずかな時間だけ許される特別な存在で、ヨーロッパを中心に高い人気を得ていると言います。特にイギリスではほとんどの教会に聖歌隊があり、名高い大聖堂には高いレベルの少年聖歌隊が古き良き伝統を受け継いできたが、21世紀に入り少年達の興味もサッカーや、ゲームに向き、聖歌隊には向かなくなっているとか…。合唱とは一人ひとりの声という氣が、全体との調和の中で、歌う人と聴く人を心地良くさせ、皆が一つになるような共鳴現象を感じることができるのだと思います。身体は一人ひとり別々ですが、魂や氣という観点からは、すべてのものが繋がっています。たくさんの人が声を揃える合唱は、潜在意識の中からそれを思い出させるのかもしれません。今の時代だからこそ必要なもの。SASミュージックサークルの皆さんのますますのご活躍を祈っております。