女性スタッフと雑談をしていたときの事です。「最近会長は、ときめいたことあります?」と聞かれて私は「うーん」と唸ってしまいました。“ときめき”という言葉は、相当長い間忘れていた感覚です。彼女の説明によると、あるテレビ番組で、最近流行のアンチ・エイジング“若さ”を保つ秘訣が“ときめき”にあり、ということで、“ときめき”によって免疫力がどれだけ上がるかという実験をやっていたというのです。「気分の高揚や若き日の感動がよみがえる“ときめき”は、日々の暮らしに疲労感を覚える熟年世代に、張りと潤いを与える」というわけです。落語などの笑いが、免疫力を上げるという効果も調べられています。熟年奥様方で構成される「氷川きよしファン」が黄色い声援をおくる前後で、免疫力の数値が上がるということは当然あり得るでしょう。これらは、心が身体を変えるということに着目しているのです。以前、私は本誌111号(‘99年3月11日)で“小さな幸せ”について書いたことがありました。これもあるテレビ番組の中でSMAPのメンバーが、ファンからの「小さな幸せを感じるのはどんな時か?」という質問に答えていたという話から、「我々の場合小さな幸せって何?」とスタッフみんなに聞いてみると、とても意外な答えが返ってきたという話でした。その時、私自身、なかなか小さな幸せが思いつかなかったものでした。しかし、今回のテーマは、それ以上の難問題。“ときめく”って何???っていう感じです。辞書で「ときめく」を引いてみると「喜びや期待などで胸がどきどきする。心が躍る。」とあります。・・・無いですね、ドキドキが・・・。「胸がどきどきする」などと妻に言おうものなら、動悸・息切れ=心臓病と思われてしまいます。ですから「ときめいたことあります?」という質問は、すっかりオジさん化している自分を発見してしまったのでした。答えに困っていた私に、彼女がある熟年スタッフにこの質問をしてみたという話をしてくれました。「三船俊郎のファンで、その頃はときめいたわねー」とのこと。なるほど、私もかつては「女優の○○さんのファン」などと言っていたと当時を思い出したのでした。私はこの記事を書くに当たり、直接聞いてみました。「○○さん、三船俊郎のファンなんだって?」「えー嫌だ、会長、どこでそんな話・・・」少女のような恥じらいに、アンチ・エイジングの効果を強く感じたのでした。私も“ときめく”ことを探してみたいと思います。