私は学生時代から、計画通り物事を進めるのが苦手でした。
ついつい甘えが出てしまい、いつしか仕事が遅れがちになって、いつも最後の最後で何とか頑張って間に合わせるということになっていました。
会長になってからのことですが、ある時こんなことがありました。
どうしても書かなければならない原稿があったのですが、その日はまったく何を書いたらよいか浮かんできません。
どんどん時間だけが経っていくのですが、まったく話がまとまらないのです。
夜遅くなってきたものですから眠気も増して、ますます頭はもうろうとしてきます。
しかし、眠ってしまっては穴をあけてしまうことになりますから、その時は気力だけで起きている感じでした。
そろそろ夜が明けるというのに、そんな調子で自分自身と格闘していたのです。
そのうちに寝不足からなのか、胃のあたりが気持ち悪くなってきました。
仕方がないので私はハイゲンキを持って来て、お腹に当てることにしたのです。
しばらく当てていると、グーッと気持ち悪い感じが増してきて、咳が出たかと思うと何も出ないのですが、何かをもどすように胃の中の空気を出していました。
何やら悪い氣が出たという感じです。
その後、何だかスッキリして、机に戻ってしばらくすると良い案が浮かんできて、結局原稿の方は何とかなったのでした。
そのとき初めてわかったのです。
私は知らない間にずいぶんマイナスの氣の影響を受けてしまっていて、それらに話がまとまらないよう邪魔されていたのです。
マイナスの氣の中には自分の思う通りに身体を使いたいと思う霊的な存在もあるでしょう。
彼らは自信を失わせ魂のエネルギーを下げさせて、いつまでも権力をふるっていたいのです。
私は、そんなこととは夢にも思わず、「できない、できないかもしれない」と焦っていたのでした。
そしてさらにわかったことは、最初に重要なのは気持ち、つまりマイナスの方向に引っ張られても抵抗しようとする強い精神力だったのです。
それがマイナスの氣を引きはがすきっかけになり、さらにハイゲンキを当てられたことで、それが促進されたと思うのです。
どんなときも、何かをやろうという強い意志には光が集まります。
そして真氣光の光が、それを後押ししてくれるのです。
「気合いだ、気合いだ…」というアニマル浜口のかけ声ではありませんが、ここ一番という時には、そうやって自分自身の気持ちを強く持つことが必要な時があるようです。
(中川雅仁)