(35)永い時をこえて

先日の新聞で「現代に警鐘!ハリウッド製の二つの大作映画トロイとデイ・アフター・トゥモローが日本でもヒットしている」という記事を読みました。特に「トロイ」は、私が以前会ったことのある魂さんを思いだし、興味をもちましたのでお話ししましょう。「トロイ」は、ホメロスの叙事詩「イリアス」を、CGを駆使して映像化した作品で、堅守を誇った都市国家トロイがギリシャの大軍によって滅ぼされていく過程を描くものです。「図らずも戦争に突き進んでしまう人間の愚かな性(さが)がテーマ、人間は戦争になると、アドレナリンが分泌されて一種の中毒状態になる。観客も同じ高揚感を味わっている。しかし、戦争で得をする人は誰もいない。イラクを見て欲しい。米国はこの戦争で何を得たというのか。『トロイ』の登場人物は我々の反面教師だ」とウォルフガング・ペーターゼン監督は新聞記事の中でコメントしています。 私が会った魂さんとは、まさしくこの時代を生きていた人だったようなのです。セッションで私から氣を受けていた女性が、突然顔を歪め、握りこぶしを床に叩きつけ始めたのです。すぐに私は氣を受けている人とは全く別の意識(魂)が出てきていると分かりました。ずいぶん長い間、そんな状態が続きました。何かよほど深い理由があるのでしょう。声も涙も出ないと言った感じです。私は、真氣光の光がその方の奥深い所にまで届くように、氣を送るしかありませんでした。さらに2、30分経過したでしょうか。だんだん悲しさに歪んでいた顔が、緩み始め、話しができるようになったのです。その人は、数千年もの間、闇の中に居たようです。古代ギリシャ時代だと思うのですが、その頃の王の娘だったようで、戦争で敵に攻められ城もろとも敵の手にわたってしまったのです。両手は縛られ足に重しを付けられて、その後は捕虜として、たいへんな目に会います。とても生きてはいられず、死のうとして舌をかみ切ろうとするのですが、口に何か入れられていて、それもできなかったようです。ずっとチャンスを伺っていたようですが、ある時ほんの少しの隙をみて、岸壁から身を投げることができたと言うのです。しかし、死んだ後もその深い苦しみや悲しみ、人としての尊厳を傷つけられたという屈辱と怒りで、真っ暗闇の中を漂っていたようです。しかし、そこに光が届いたのでしょう。最後に彼女は「この光はすばらしい。これで私のように苦しんでいる人達を救える。私に新たな役割が与えられた。」と言って消えて逝きました。真実の事なのかどうかは分かりませんが、人類は何千年も昔から戦争を繰り返してきました。マイナスの魂が影となって、また次の争いを生むのです。しかし、光となって輝ける人たちにより、世の中は少しずつ確実に変わって行く事でしょう。そして真氣光が大きな助けになるのです。