(25) 学校が嫌い!

今年の2月から4回にわたり月刊ハイゲンキで不登校の特集をしました。ちょうどそのころだったと思います。その日の会長セッションも終わりに近付いたところで、「ちょっと頭が痛いんです」とAさんが私に訴えました。Aさんは学校の先生です。今年から生徒指導という役をすることになったということで、「これも意味があるのでしょうね」と前回のセッションで私に話してくださったのでした。私はそんな事を思い出しながら、そのまま少し氣を送っていたのです。すると突然「やだ、やだ」と言い始めました。これはAさんじゃないと思い、その後の言葉に耳を傾けたのです。苦しそうな顔をしながら「あんな学校、誰も行かなくなればいい」と言います。どうもAさんの口を通して出て来ているのは、学校に行くことが嫌になり、悩み苦しんで亡くなった子供の魂だったらしいのです。自分を苦しめた学校や先生に、恨みの気持ちを持っているのです。後からわかったことですが、その学校は伝統のある女子校で、昔から変わることのない規律がとても厳しく、生徒の中にはずいぶん窮屈な思いをしている子も多いとの事です。たぶんその子も、そのような規律について行けず先生を通して学校というものがすっかり嫌いになってしまったのでしょう。いろいろ自分が苦しんだから、皆が自分と同じように学校が嫌いになって行かなくなるように、先生と生徒の関係が悪くなるマイナスの方向にいろいろと画策していたらしいのです。しばらく氣を送りましたが、なかなか軽くならず出てくる言葉は暗くて重い言葉ばかりです。その子一人がAさんの口を通して出てきているのですが、私にはその背後にたくさんの悩み苦しんだ子供達が居るような気がしました。私がより集中して氣を送り続けると、真氣光の光が届き始めたのでしょう。だんだんと出てくる言葉が変わり始めたのです。「でも、こんな先生もいるんだね。この先生は一生懸命生徒の話を聞いていたよ。」「だんだん軽くなってきた。自分が辛かったから、みんなが学校に行かないようにしたけど、それは間違っていたんだね。私も光になって苦しんでいる子を助けられるよ。」辛い体験をしたからこそ、苦しんでいるたくさんの子供達の本当の力になれることでしょう。Aさんがこのセッションの前日、一日を費やして生徒の話を聞いてあげていたことを後から聞きました。Aさんは「話を聞いている時には何の意味があるのかわからなかった」と言っていましたが、その行動が、影に光が届くきっかけになったのです。「私の学校は女子校だから生徒は将来お母さんになり、生まれる子は次の世代を担うことになる」と何気なく言われたAさんの言葉に、私達大人は子供達を通して未来に光を送っている事を、あらためて氣づかせていただきました。