(8)物に入り込む魂

 目に見えない魂は、生命エネルギーとして空間に漂うばかりでなく、物に入り込む場合もありますし、土地に留まる場合もあります。なかでも、物質的なよりどころのない魂は、物に入り込んでしまうことが多いようです。広く考えると水や土地、人の身体なども物の一種と考えられます。一般的な物の場合、針のような小さなものから、建物など大きなものまで、いろいろあげられるでしょう。何かその魂と意識的な同調があると、なおさらその物へ強く引き付けられるようです。よく聞く話としては、生前大事にしていた人形とか服とか、思い入れがある宝石などです。また古井戸や学校の校舎などもよく話に出てきます。そういう物や場所は、その氣を感じるからでしょうか、どこか寂しげで独特の雰囲気を持っている場合があります。だからといって、魂がそこに宿っていても特別なことでもなく、何も怖いことではありません。
 私は、物を使う人の心がまえが重要だと思っています。定期的に手入れをしたり大事に感謝して物を使えると、使う人からプラスの氣(つまり光)が出てきます。それが、そこにある魂にエネルギーを与え、より一層その物の氣を高め、それが使う人に再び返ってきます。よく昔から職人さんが、自分の使う道具を大事にするという話を耳にしますが、どんどんプラスの循環が働く良い例だと思います。物はどうして生まれてきたか? 何か本来の役目があって作られます。つまり使われて始めて、本来の役割を全うし喜びの氣が集まるのです。
 そういう意味では、家の中に不要なものが多いと、使われなくて悲しい・寂しい氣が集まってきます。まず、安いからといって不要な物まで買う必要はないでしょう。または、要らないという人から譲り受けるとか、もったいないと思っても、もしその物が使われることがなかったとしたら、どんどん「寂しい」と思っている魂が入り込み、物自身も悲しむものです。また、使うことがまったくないのに、もったいないと捨てられない場合があります。それでも使うことがなければ、やはりマイナスの氣が集まります。建物もそうです。いつも掃除や手入れをすることによって、プラスの氣が宿ります。もしマイナスの気持ちをもった魂が入り込んだとしても、光を浴びてプラスになるでしょう。不要な物の場合は、誰か必要な方にもらっていただくのが一番よい方法かもしれません。物を所有するということは、その物が持つ氣の部分にまで責任をもつということですから責任重大です。
 そろそろ年末の大掃除のシーズンがやってきます。マイナスの氣を溜めないように、一年間の感謝の気持ちで定期的な手入れをしっかりしましょう。