母が飾ってくれたお雛様

 今日、会社から家に帰ってきた瞬間に、玄関で出迎えてくれた母に対して突然とても優しい気持ちが湧いてきました。
自分のなかにこんなに美しい感情があったのか、と驚く程です。
こういう感情ってすぐに伝わるようで、とたんに母の様子も変わり楽しそうにしています。
一時期は本当に憎くて憎くて仕方ない相手だったのに不思議なことです。
明日は3月3日なので玄関にはお雛様とお花が飾られていることに気がつきました。
毎年毎年、母がなかなか嫁にいかない私のために、「早くいいところへお嫁に行かれますように」とつぶやきながら用意しているんです。
ああ、そうか、母のほうが最初に玄関を優しい気持ちで一杯にしたんだな、と気がつきました。
そして、愛し合えるということはとても幸せなことだということにもやっと気づきました。
ありがとうございました。
(神奈川県 桃の節句さん)
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