(23)平和を祈る

 米英軍がイラク戦争に踏み切ってから21日。今日の新聞には「米軍がバグダット制圧」と大きな見出しが載っていました。早く戦争の無い世の中になってほしいものです。
 先日の会長セッションで私が氣を送っていると、Aさんの顔がみるみる歪んできて、とても苦しそうな様子になったのです。足が重いようです。私は足の方に氣を送りながら、Aさんが何か言おうとしているので、耳を傾けました。「俺はもう歩けない。先に行ってくれ」と苦しそうな声です。どうやらたくさんの人達と一緒に歩いているらしいのです。私が「何かの旅の途中かな」と考えていると、今度は「家に帰りたかった」と苦しそうに言うのです。私は早く楽になってもらいたくて、一生懸命、何も言わずに氣を送りました。すると少しずつ話せるようになり、だんだん状況がわかってきました。彼は戦時中軍隊にいた人で、広い大陸(たぶんシベリアか満州)を仲間と日本に向かって、それはもう延々と歩いていたようなのです。しかし、飢えと寒さと極限にまで達した疲労で、もう一歩も足が前に出なくなったのです。仲間は彼を勇気づけようとするのですが、彼はもう付いて行けず、すでに死を覚悟したのでした。私は氣を送りながら「戦争は終わりました。ゆっくりしてください。」と言ったのですが、彼は苦しそうな顔のままで、まだまだ光が足りないようすです。仲間もみんな苦しんでいると言います。戦後半世紀以上が経過しています。私達には遠い過去の出来事ですが、彼らにとってはまだ終わっていなかったのです。私はたくさんの光が届くことを祈りながら氣を送り続けました。「勝っても負けても、戦争はイヤだ。前線で戦った人間は皆そう思っている。辛い、苦しい、帰りたいと思っても、口に出して言えなかった。誰も口にしなかったけど、みんなそう思っていた。ああ、だんだん楽になってきた。私のようなものが光の世界に逝けるなんて…。まだまだ仲間がたくさん苦しんでいる。私も少しでもたくさんの人を光に導きたい。よろしくお願いします。」最後、彼はそんなふうに言って光の世界に旅立ったのでした。私も微力ながら少しでも力になろうと、決意を新たに見送りました。
 計らずも翌日午後からは、広島で囲む会を企画していただきました。私は早朝から空いている時間を利用して平和記念公園を巡り「すべての魂が光り輝くよう」世界平和をお祈りさせていただきました。素晴らしい快晴と満開の桜。今では広島に世界中から平和の波動が集まっています。かつてたいへんな経験をした、たくさんの魂さん達がこれからの地球に尽力してくれているような氣がして、何とも言えない気持ちになったのでした。