お彼岸の食べ物と言えば、「ぼたもち」、「おはぎ」ですが、その違いについては諸説紛々で定説はありません。
よく言われるのは小豆餡(あずきあん)、の様子を春の彼岸の頃に咲く牡丹(ぼたん)の花に見立てて「牡丹餅」すなわち「ぼたもち」、そして秋の彼岸の頃に咲く萩の花に見立てて「御萩」すなわち「おはぎ」という説です。
また、小豆餡の違いとする説があり、小豆をつぶしただけの「つぶし餡」をまぶしたものが「ぼたもち」で、漉(こ)し餡を塗りつけたものが「おはぎ」というものです。
いずれにしてもお彼岸に食べるようになったのは、小豆の赤色には、災難が身に降りかからないようにするおまじないの効果があると信じられていて、古くから邪気を払う食べ物としての信仰が、先祖供養と結びついたからと言われています。
また「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、春の彼岸は農作業が始まる時期で、秋の彼岸は収穫の時期にあたるので、春には収穫をもたらす山の神などを迎えるために、秋には収穫を感謝して作ったとも言われています。
昔はどこの家庭でも作っていたほど身近なものでしたが、今は作らないので「棚からぼたもち」(予期せぬ幸運)ということわざも若い人にはピンと来ないものになってしまったようです。
(本社 加藤)
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