きびしくしてくれた先輩に感謝

 以前働いていた職場にとてもきびしい先輩がいました。
仕事のことでわからないことを聞きに行くと、「前にも言ったよね」とか「メモはとらないの?何回も同じことを聞いているよね」と言われ、次に質問をするのが怖くなってしまいました。
嫌だなと思いながらも、聞かないとわからないし…と勇気をふりしぼりながら聞きに行っていました。
でもよくよく考えてみると、確かに同じことを何度も聞いているし、メモもとらずにいた自分にも気づき、次に聞きに行くときには、必ずノートを持って行くようにしてみました。
「怒られる」というマイナスの気持ちに自分が反応してしまい、自分のために教えてくれているんだというプラスの見方ができませんでした。
「怖かったね」と思いながら氣を何度も何度も受けていると、子供の頃から母に怒られていたことを思い出しました。
怖かった気持ちが無くなっていくに従い、母も寂しくて不安な気持ちが私への厳しい態度になっていたんだ、母も祖母から同じような扱いを受けたのかもしれないという気持ちを感じることができました。
そしてだんだんその先輩からの注意もなくなっていき、自然と仕事も任されるようになっていき、数年後退職しました。
当時はきびしい人だなと思うだけでしたが、もしかしたらその先輩も辛いものがあったのかもしれないし、最近になってその先輩がきびしく注意をしてくれたお蔭もあって、仕事もきちんと早く覚えることができたのだと感謝の気持ちが湧いてきました。
(東京都 Tさん)
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