ひとくち歳時記「啓蟄」

 二十四節気のひとつ、啓蟄(けいちつ)は、毎年3月6日頃です。
「啓」とは開くという意味、「蟄」は土中で冬ごもりしている虫のことで、啓蟄とは寒さも緩み始め虫などが這い出してくる時候のことをいいます。
俳句の春の季語「初雷(はつらい)」は、立春後に初めて鳴る雷のことを言いますが、啓蟄の頃に鳴ることが多いので「虫出しの雷」あるいは単に「虫出し」とも言われています。
また啓蟄の頃の言葉に「山笑う」「桃はじめて笑う」という言葉があり、春の到来とともに山や桃の木が青々と茂り出す様子を笑っている姿に例えた表現です。
また「鷹化して鳩と為る」という言葉もあり、厳しい表情をしている鷹も、春の気候によってやさしい鳩のようになるという意味です。
人もまた寒さが和らいでくると表情も緩んで、体も軽やかになってきます。
今冬は寒さが厳しく雪も多いですが、春はもうそこまで来ています。
(本社 加藤)
[menu][次へ]