(20)光を装った影-1

真氣光を送っているとその人とは全く違う人(既に亡くなっている人の魂)が、氣を受けている人の口を使って出てくることがあり、私はヤドカリさんと呼んでいます。いろいろな事情をもつヤドカリさんがいて、このコラムで紹介していますが、よくある「事情」の一つに「恨んでいる」というのがあります。先日の出来事をお話ししましょう。もう何年も一生懸命真氣光を続けてくれているAさんご夫婦ですが、毎回センターでの会長セッションに二人仲良く参加してくださいます。奥さんが霊的に敏感な方で、氣による反応を通して、私にもいろいろな気づきをいただいております。その日も氣を受け始めると低い唸り声のようなものが出始め、隣で横になっているご主人の胸を掴むのです。私は「これは何か恨みがあるんだな」と直感しました。もう少し氣を送っていると「おまえにはわかるか。俺達の苦しみが。おまえにわかるか。」と叫び始めたのです。どうやらご主人のご先祖は、かつて広い畑を持つ有力な農家で、まわりの小さな農家などに、お金を貸していたらしいのです。しかし不作などで借金を返せなくなった家に対し強引な返済を迫り、できない家は畑を取り上げたのです。畑を失った一家は飢えと苦しみの中、A家に対する恨みを持って亡くなったのでしょう。そのようなことが繰り返されて、Aさんの家は大きくなったのです。お金を貸したら返してもらうのはあたりまえのことですが、そこに行き過ぎた部分があったのでしょう。出てきたヤドカリさんは何代にも渡って、何百年も恨んでいると言います。そういう方がたくさんいたために、その後Aさんの家は、いろいろなマイナスの出来事が絶えなかったようです。彼らはAさんに分からせたくて、当然のこと、正しいことをしていると思っているのです。私にも、どうしようもないほどの憤りや辛かった気持ちがよくわかります。何も言えずに、真氣光が彼らに届き、光り輝いてほしいと、ただひたすら祈りました。しばらくすると、そのヤドカリさんはAさんの他に何代も恨んで来たけれど、一向に氣が晴れず、かえって苦しみが増していることに気が付くのです。さらに氣を受けるうちに、自分たちは、すごく当然のことと思ってしていたことが、実は大きな間違いだったということが分かり始めたのです。(次週に続く)