おすすめ映画 『禅』 ただいま公開中

予告も宣伝も一度も見た事がなかったのに、映画館の看板を見上げ、「禅」の一文字をみた時、引き寄せられるように入館しました。道元禅師の生涯だったのです。亡き主人の法要の時、いつも説法を説いて下さる僧正様は曹洞宗永平寺で修行を積まれた方で、そのお言葉にはいつも聞き入っていました。道元の幼少の頃、亡くなった母の言葉「私はあの世でお浄土にいけるのでしょうか?でも死んでお浄土にいっても意味のない事。何故この世にお浄土はないのでしょう。人々の争い、病や死の苦しみから抜けでる道をそなたに見つけて欲しい」と、その言葉を胸に仏道に入り、様々な師と出逢うなかで「只管打坐(しかんたざ)」の信念を貫き曹洞宗の開祖となられ、54才で入滅される迄の史実に基づいた生涯です。「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」。この歌のごとく自然と一体であり、他と比べる事なく、共に喜びや悲しみを分ち、人を思いやる心の豊かさ、あるがままの道元禅師の物語を通し、私達が真氣光から学ばせて頂いている事が、どんなに素晴らしい事なのか改めて氣づかさせて頂き、悦びと感謝の心で一杯になりました。また仏教を知らなくても、一つの物語として充分楽しめる大作です。主人公の中村勘太郎も20代と思えないほどの好演で見応えありお薦めです。
(Hさん)
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