焦りとマイナスの氣

安曇野での真氣光研修講座を終え、私はそのまま信州に2日ほど滞在して温泉につかって来ました。
連休での移動中のこと、新幹線の改札近くで年配の男性が、切符をどこかにしまい忘れたようで、カバンの中を全部出して探していました。
私にも覚えがありますが、こんな時は焦ってしまうと見つかるものも、見つからないものです。
焦りは禁物です。
以前、私はレンタカーを借りたのですが、いつもと勝手が違ったために、一度止めたエンジンをかけられなくなってしまいました。
こんな田舎では、人も呼べないし、時間には余裕が無いし、どこに電話をかけたら良いかなど、先々のことが頭の中でグルグル回って、どんどん焦ってしまったのです。
結局、開き直ってゆっくり考えたら、何のことはないことで問題解決したのでした。

氣の観点から考えると、マイナスの氣が「焦る」状態を作ることがあり、不安や心配など心に生じるマイナスの気持ちが強くなると更なるマイナスの氣を引き寄せ、自分の頭で冷静に考えるということが出来なくなります。
焦る時には「落ち着こう」とすることがマイナスの氣を遠ざけ、対策を見つけやすくしますが、マイナスの氣の影響を強く受けていると、そう簡単に落ち着けないということもあるものです。

ところで、先代は焦るということとは無縁な人でした。
ただ単に暢気だというのではなく、予期せぬ出来事が起きた時、瞬時に適確な対策を立てる訓練ができた人であり、それは、それまで経験した一つひとつの焦る体験が心を強くしたから、獲得できた気質なのだと思うのです。
私にも、こんな体験があります。
サラリーマン時代の上司は、とても厳しい人でした。
毎週月曜の打合せでは「あれはどうなっている、これはどうだ?」と、こちらが考えていないようなことを畳みかけるように聞くので、どんどん焦ってしまって何も答えられなくなり、それが相手の気に障って怒りを買うという悪循環に陥っていました。
私は、研修講座に参加して、「どんなことも自分次第だ」ということを教えてもらいました。
結局良く考えてみると、怒りっぽい上司が悪いのではなく、自分の技術力や考察力が足りていないということが分かったのです。
それからは、自分の頭でしっかり考え、言われたことをやるばかりではなく、自分で確かめるために言われていないことまで手を広げ、徹底的に理論武装することを心掛けました。
そうすると上司は、だんだん私の考えを聞いてくれるようになり、最後はすっかり任せてくれるようになったのです。
氣を受けるとともに、焦りに気がついたら、その原因は何か?どんな対策を立てたらよいか?それが自分の氣を高めてくれると思うのです。