今月の対談「いい人いい話いい氣づき」

2022年11月「桑原浩榮」さん

桑原 浩榮(くわはら こうえい)さん

鍼灸医師。米国マサチューセッツ州ボストン在住(1989,1991-現在)クーリア氣クリニック院長
日本はり協会、北米小児はり協会会長ニューイングランド鍼灸大学元助教授

『鍼灸師は直観が命。真氣光で直観力を高める』

真氣光と鍼灸では 道具の使い方がまったく違う

中川:
ここ3年は、新型コロナウイルスの影響で桑原先生とはオンラインでしかお会いできません。先代の時代から先生はボストンでセミナーを開いてくださっていて、私も毎年ボストンへうかがっていました。
桑原:
先代が亡くなる前の年、1994年からでしたかね。だから28年間ですか。私はその3年前に日本の古典鍼灸を指導するためにボストンに渡りました。当時は『氣功師養成講座』と言っていましたが、下田で行われていた一週間の講座にも参加しました。
中川:
桑原先生は鍼灸師ですが、治療のときはほとんど鍼を刺さないそうですね。鍼を刺さない鍼灸治療というのはあまり聞かないのですが、氣に通じるところがあるように思います。
桑原:
刺さない鍼は日本で発展しました。中国の文献にも出ていますが、中国ではほとんど使われていません。鍼灸治療も氣がとても大切で、術者の心の使い方、意識の持ち方がとても大切です。先代のころから真氣光では当たり前に言われていますが、中国では、古典には書かれていても、今では霊や魂、心のことはあまり言いません。このツボに打てばこんな変化が起きるという経験的なものになっています。私もツボに鍼を打つことはやりますが、術者の心の持ち方、受ける側の気持ちの変化が治療結果に大きくかかわることは常に実感していますね。だから、術者は精神的な修行をする必要があるんですね。真氣光と同じですね。


中川:
真氣光も、ここまでやったからもういいというのがありません。常に向上心が必要で、真氣光を実践しながら成長していくことが大事です。先代は、病気治しに力を入れていましたが、「これは療法ではない。療道だ」と言っていました。患者さんを治療するという行為を通して、自分を成長させ、同時に患者さんの意識も高めていくということだと思うんですね。その精神は、今も続いています。
桑原:
3年前に会長がボストンに来られたとき、すばらしいものを作っていただきました。私は真氣光ぺろぺろキャンディと呼んでいるのですが、氣グッズであるディスクヘッドに鍼灸で使うてい鍼という鍼をくっつけてもらったんですね。てい鍼というのは先端が丸くなっていて、刺さない鍼灸治療に使います。これがいいんですよ。
中川:
てい鍼の頭の部分にネジを切っただけです。ディスクヘッドの枠にあるネジ穴とサイズがぴったりでした。これには驚きました。使っていただいているんですね。
桑原:
もちろん使わせてもらっていますが、使い方は簡単ではないですよ。真氣光と鍼灸では道具の使い方がぜんぜん違います。それを合体させてしまったのですから、作ってもらったのはいいけれどもどう使えばいいのか、ずいぶんと悩みました。真氣光は、たとえばハイゲンキなら、それを体に当てなくても瞑想をしていれば氣がどんどん入ってきますよね。触れなくていいというのが本来の真氣光のグッズの使い方です。私は、これまでの体験から触れない方が効果が上がるのではないかと考えています。でも、鍼灸だと、道具を患者さんに見せるだけ、横に置いておいて瞑想させるだけでは効果が出ません。刺したりこすったりさわったりすることで肉体が反応するわけです。ぺろぺろキャンディはどっちの使い方をすればいいのだろう。そんなことを考えたら迷いが生じるんですね。迷いは治療効果に大きな影響を及ぼします。迷っているうちは、真氣光的な効果も鍼灸的効果も出にくいんです。せっかく会長に作っていただいたのにどうすればいいのだろうと悩みましたよ。
中川:
そうでしたか。今は使い方をマスターしたのですか?


桑原:
おかげさまで、いろいろいじくりながら考えているうちわかりました。鍼灸は、どのツボにどう打てばいいか、長年の研究によってかなりわかっています。刺さない鍼も、それなりに日本では研究がなされています。しかし、真氣光のグッズは技術的なことはあまり関係ありません。逆に、操作しようという意識が働くと良くないみたいです。お任せの気持ちが大事なんですね。もっと言えば、お任せの気持ちになれないと働いてくれないんです。ですから私は、ぺろぺろキャンディは、鍼灸の道具とは考えないようにしました。ほかの真氣光のグッズと同じで、お任せの気持ちをもって使っています。直観を大切にして、患者さんによっては、触れた方が効果が出るという直観があったりするので、そのときはてい鍼をツボに当てたりします。
中川:
ディスクヘッドは真氣光のエネルギーを自分に入れるという目的で作ったものです。でも、てい鍼と合体させることで、方向性が自分だけでなく、患者さんにも向くようになったのでしょうかね。
桑原:
そうかもしれません。真氣光でも鍼灸でも、私たち術者の気持ちがとても大切ですが、人間である以上、どうしてもぶれてしまいます。嫌なことがあっても動じてはいけないとわかりつつも、動揺したり落ち込んだりするわけです。その気持ちは患者さんにも伝わってしまいます。でも、真氣光の氣グッズだと、自分の気持ちがどんな状態であっても、あるレベルの安定した氣を中継してくれます。ぶれがないんですね。そういう意味で、本当にありがたいですよ。
中川:
桑原先生は、ニューイングランド鍼灸大学の先生として世界中の方たちに鍼灸を教えてらっしゃいますよね。刺さない鍼とか氣のこととか、すんなりと受け入れてもらっていますか。
桑原:
大学は大丈夫です。真氣光のクラスもあるし、大学内にクリニックも作りました。そのときに、学長とお話ししました。「真氣光はある意味、宗教のようなところもあるけれども、問題ありませんか?」と聞きました。学長は即座に「まったく問題ありません。気にする必要はありません」と言ってくれました。学長も真氣光にとても興味をもって、「そんな簡単にできるの?」「悪い影響は受けないの?」といろいろ質問し受けないの?」といろいろ質問してきました。
中川:
日本よりもわかってもらえやすいんですかね。日本では魂とか霊という言葉を出すと宗教じゃないのと敬遠されますからね。
桑原:
こちらの鍼灸の大学は古典医学が中心ですから、魂とか霊とか神といった言葉は常に使っています。何の抵抗もありません。日本の鍼灸学校では氣のことは教えませんが、アメリカは氣が基本です。魂のことも普通に教えますね。ただ、中には頭で理解しないと納得できない学生もいます。そういう学生に氣のことを理解させるのは時間がかかります。
中川:
頭で考えることは大切ですが、真氣光の場合は、理屈では説明できないことが多いのも事実で、それを頭で理解しようとしても難しいですね。
桑原:
私は治療の際には3つの力をうまく使う必要があると考えています。一つ目が「霊能力」ですね。今風に言えばスピリチュアルな能力です。二つ目が「超能力」です。三つ目が「科学的・理論的な力」です。真氣光は一つ目の霊能力ですね。中国の気功は二つ目の超能力です。トレーニングをして宇宙のエネルギーを自分の体に取り込み、普通の人にはできないようなことをやってしまいます。治療でも、自分の体にためたエネルギーを使います。科学的・理論的な力というのは、エビデンスに基づいた方法ですね。
先代の会長は、「真氣光は第三医学だ」とおっしゃっていました。第一医学が西洋医学に代表される科学的な医学です。第二医学が鍼灸などの経験的医学です。そして、第三医学が直観に基づいた医学ですね。第一医学も第二医学も、道具が主役です。しかし、第三医学は道具は直観をサポートする手段として使います。真氣光の氣グッズはまさにそういう道具ですよね。
中川:
先代は直観で生きていました。そもそもハイゲンキは先代が夢を見て作ったものです。氣グッズは、基本的な使い方は伝えていますが、使う方それぞれがさまざまな工夫をして直観を磨くのに役立てています。逆に私たちが使っている人から「こんな使い方をしたらすごく良かったですよ」と教えられることもよくあります。
桑原:
私は一か月半くらい前からハイゲンキ8型を使っています。昼間はパソコンの裏に置いてあって、夜になると枕の下に敷くんです。直観が冴えるんですね。夢がどんどんクリアになってきています。昔はノイズが含まれていて、理解できない夢が多かったですよ。ところが、8型を枕にしてから、役に立つ夢ばかりです。<後略>

ZOOMにて 構成/小原田泰久

桑原浩榮さんの情報

Culia Ki Clinic Inc.
25 Church St., Watertown MA02472 TEL:617-926-6986

YouTube それ気のせいです【中川雅仁】の動画 Shinkiko Webinar 2022 from Japan & USA ボストンとのオンラインセミナーについて桑原先生にインタビューもご覧ください。

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