今月の対談「いい人いい話いい氣づき」

2022年8月「井下田 久幸」さん

井下田 久幸(いげた ひさゆき)さん

1961年生まれ。青山学院大学理工学部卒業後、日本 IBMに入社。その後、 IT企業4社を渡り歩き、東証一部上場企業で執行役員を務めたあと、独立してドルフィア株式会社代表取締役。今も現役のプログラマーとして活躍している。著書『コンペ 300戦無敗のトップエンジニアが教える理系の仕事術』(かんき出版)は、理系に限らず幅広く読まれている。

『コンペ300戦無敗。根底にはお客さん目線の温かさ』

再現性があり応用が利く法則を見つけて対応する

中川:
井下田さんの『理系の仕事術』というご著書を読ませていただきました。私も、大学は工学部したし、卒業後も10 年くらい電機会社でエンジニアをやっていました。バリバリの理系です。氣の世界には30 年近くいますが、氣というとどうしてもあいまいな部分が大きいので、最初はずいぶんと戸惑いました。敏感な人もいればぜんぜん感じない人もいます。測定もできないし、再現性もないし、物質だかエネルギーだか、それも明確になっていません。私自身、氣によって体調が良くなったり、人生観が大きく変わったりしましたので、氣をもっとわかりやすく伝えることができる方法はないものかと、ずっと試行錯誤してきました。エンジニアという立場で、プレゼン 300戦無敗というすごい成果をあげた井下田さんの体験は、理系の人間として伝え方を考える上でとても参考になりました。
井下田:
ありがとうございます。中川会長は、氣の出る機械を作っておられるとお聞きしました。
中川:
私の父が夢で見て作ったものです。時計の技術者だった父が夢で教えられた通りに作ったところ、使った人から元気が出たとか体調が良くなったとか、喜びの声が寄せられました。でも、なぜ体調が改善するのか作った本人もわかりませんでした。あるとき、中国の氣功師がその機械を見て、「氣が出ている」と教えてくれたそうです。父は、宇宙にある癒しのエネルギーを中継しているという言い方をしていました。当時、私はエンジニアだったので、機械を分解してどういう構造になっているのか調べたこともありました。とても気になる部分が一つだけありました。小さなピラミッドとセラミックの板と永久磁石が意味ありげに組み合わさっていたのです。
私はそこに氣を中継するカギがあるのではないかと思い、父の死後、もっと性能を向上させようと、サラリーマン時代にやってきたコンパクト化、集積化という技術を使って、機械を改良して今に至っています。エンジニアのときはマイクロマシンという小さなロボットを開発していましたが、そのときの経験が生きましたね。
井下田:
お父様も理系だったのですね。私は氣については門外漢なのですが、世の中にそういう機械はあまりないように思うのですが。

中川:
あまり聞かないですね。一般的には機械と氣というのはなかなか結びつかないみたいですね。理屈ではなかなか理解していただけなくて、今の時点では、体験して判断してもらうしかないかなと思っています。
井下田:
会長は、それを何とか論理的に説明しようと努力されているわけですね。

中川:
氣というと感覚的にとらえることが多いのですが、そればかりではなく、しっかりと頭で考えることも必要だと、私は思っています。人は、理論的に考えたら起こる確率の非常に低いことに不安や恐怖、怒りを感じて落ち込んだり、イライラしたりします。そんなときこそ、しっかり考えることが大切だと思います。考えることで感情に振り回されることが少なくなるのではないでしょうか。余計なことで不安にならないし、取り越し苦労をしなくてすみます。感情に振り回されて落ち込んだりすると、良くない氣の影響を受けてしまいます。それを防ぐためにも、しっかり考えていく理系的なアプローチは必要かと思っています。
井下田:
ノリや直感も大切ですが、それだけではなくて、再現性があり応用が利く法則のようなものを見つけて対応する人には、まわりの人もついてきます。会長のようなリーダーにとって、理系の戦略的思考はとても大切なスキルではないでしょうか。
中川:
ただでさえもわかりにくい氣というものをどう伝えればいいか、まだまだ工夫しないといけないと思っています。
ところで、井下田さんのご著書では、最初に「人生すごろく」でご自身の半生を紹介しているじゃないですか。とてもわかりやすくて、自分をプレゼンするのにとてもいいツールだと感じました。
人生すごろくに沿ってお話をお聞きしていきたいのですが、おじいさんがドイツ人で、子どものころは父親のDVでずいぶんとつらい思いをしたようですね。

井下田:
ひどい暴力を受けていました。部屋に閉じ込められたりして、私は引っ込み思案なのですが、あのころの体験が原因ではないかと思っています。まわりからもいじめられましたし、学校でも、勉強が遅れました。
だけど、今振り返れば、とてもつらかったですが、その分、人の痛みがわかる人間になれたかなと思います。弱い人を見ると助けたくなるんですね。

<後略>

東京都品川区・シンシア高輪にて   構成/小原田泰久

コンペ 300戦無敗の
トップエンジニアが教える
理系の仕事術

井下田久幸著
かんき出版

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