今月の対談「いい人いい話いい氣づき」

2015年4月 「研修講座 講師」さん

 

研修講座 講師(けんしゅうこうざ こうし)さん

龍村 修 さん 1948年兵庫県生まれ。早稲田大学文学部卒業。94年龍村ヨガ研究所を創設し、国内外でヨガの指導に従事。龍村ヨガ研究所所長、国際総合生活ヨガ研修会主宰、NPO法人沖ヨガ協会理事長、NPO法人日本YOGA連盟副理事長。主な著書に「眼ヨガ」「龍村式 耳ヨガ健康法」(以上、日貿出版社)「深い呼吸でからだが変わる」(草思社)など。

石井 光 さん 東京生まれ。東京大学大学院法学研究科博士課程を修了。青山学院大学法学部教授。犯罪学、犯罪者処遇、少年非行の教鞭をとる傍ら、オーストリア、ドイツなどヨーロッパ各地、カナダ、中国などで内観の指導を行っている。著書に「一週間で自己変革、『内観法』の驚異」(講談社)「子どもが優しくなる秘けつ」(教育出版)など。

中川 貴恵 さん 東京音楽大学声楽専攻卒業。日本オペラ振興会オペラ歌手育成部研究生修了。ミラノ、ローマ、ヴィテルボでオペラ唱法を学ぶ。イタリアで勉強中、日本の歌の素晴らしさを実感する。現在、「歌は祈り」という思いで、聴き手に親しみやすい叙情歌や唱歌を中心に活動中。老人ホームなど福祉施設でのコンサート依頼も多い。

『真氣光研修講座25周年特別企画 感動、感激、感謝、気づきの講座!会長と3人の講師が振り返る25年』

1990年3月、下田の沖ヨガ道場で合宿制の講座が始まった

中川:
今年の3月で真氣光研修講座が丸25年となりました。本当に早いものです。先代が亡くなったのが1995年ですから、それから数えても20年になります。
今回は、真氣光研修講座の講師を務めてくださっている3人の方をゲストにお迎えして、25年を振り返ってみたいと思います。25年前の第1回目からヨガを教えてくださっている龍村修先生、1994年から内観を講義してくださっている石井光先生、それに音感行法の中川貴恵の3人にお話をうかがいました。ちなみに、中川貴恵は私の妹です。
龍村先生、研修講座が始まって、もう25年になりますね。第1回目から、すべての回に、講師を務めてくださっていただき、本当にありがとうございます。先生も、きっと研修講座には、思い入れをもってかかわってくださっていると思いますが。
龍村:
思い入れも、思い出もいっぱいですよ(笑)。もう25年ですか。20周年のときにもお話ししたかもしれませんが、先代が下田の沖ヨガ研修所を訪ねて来てくださったときのことはよく覚えています。真っ白な髪の毛、白い髭。あの風貌は、一度見たら忘れられません。何か、すごい力をもっておられる方だと、そのとき感じましたね。最初にお会いしたのは1989年の年末で、翌年の1月にも道場にお越しになりました。最初のときに、沖ヨガの創始者である沖正弘先生の本をお渡ししたのですが、それを全部、読んでくださって、何か感じるところもあったようで、この研修所で医療氣功師を養成する講座を開きたいというお話をされました。2000人の医療氣功師を養成するのが急務なのだとおっしゃっていました。
沖先生も、現代医療には大きな問題があると言っていました。目に見えないエネルギーのこととか、毎日の生活のあり方には、現代医療はまったく目を向けていませんでしたから。そういう意味で、先代の話にはとても共感するところがありました。
中川:
沖先生はすでに亡くなっておられましたが、沖先生の精神性というか生き方、考え方に、先代も共鳴するものがあったのだと思いますね。
龍村:
ヨガというのは、本来は神と結ぶという意味です。神とつながるというのは、宇宙の神聖なエネルギーを中継することです。そのアンテナが曲がっていては、いいエネルギーは取り入れられませんから、体を動かしたり、呼吸を整えたりするわけです。ヨガというと、体操のように思ってしまっている方もいますが、それは大きな勘違いで、宇宙のエネルギーを生かしていくためのものなのです。そのあたりに、先代は自分の考えとの共通項を見出したのではないでしょうか。
中川:
1990年3月の第1回目の参加者は40人ほどでしたが、どんどんと増えていきましたね。
龍村:
私どもでも、企業の新入社員研修などで大人数の研修を引き受けることもありましたが、せいぜい、1年に1度とか2度で、毎月、あれだけの人が集まってきたのには、びっくりしましたね。
中川:
石井先生は下田のときに受講されて、生駒で研修をするようになってから、講師としてお越しくださっていますよね。
石井:
そうですね。ゼミで、「人間とは何か」に迫るテーマを探してくるよう、学生たちに課題を出したら、一人の学生が「真氣光」を選んできました。合宿があるので先生もぜひ行ってみてくださいと言うので、素直に「はい」と言って、受講しました。私は、学生時代から坐禅をやり、長く内観の指導もしていますので、氣とか心のことについてはとても興味がありました。でも、坐禅にしろ、内観にしろ、静かに自分を見つめるものですから、下田での合宿のあのすごい状態にはびっくりしましたね。
中川:
そうですよね。氣の時間になると、転げ回ったり大きな声を上げる人がたくさんいましたからね。
先生は、青山学院大学で教鞭をとっておられて、それ以外にも、世界を回って内観を指導されていて、本当に忙しいのに、当時1週間の講座に、よく来られましたね。
石井:
春休みでしたが、私が参加したときは1週間ではなくて8泊9日でしたね。本当に貴重な体験で、魂のことについて興味を持って本を読んだりしていたころでした。目の前でさまざまな現象を見せられて、とても感動しました。
真氣光研修講座も内観も、「いいとわかっていても忙しくて行けないんです」と、なかなか参加できない人がいるとは思いますが、これから何十年か生きるうちの3泊4日とか1週間ですからね。それで人生が変わると思えば、思い切ってもいいのかなと、私は自分の体験から思いますね。
私は、学生時代からお寺にこもって坐禅を組んだり、内観も何度も参加していますから、それを全部合わせると、3年くらいは世の中から隔絶された状態にいたことになります。でも、それで得たことは、本当に大きかったと思っています。
石井:
これまでは、夏休みとか春休みしか、ヨーロッパや中国に、内観の指導に行けませんでしたが、これからはいつでも堂々と行くことができます(笑)。向こうでも、手ぐすね引いて待っていてくれています。ありがたいことです。
中川:
ところで、貴恵も下田の講座に参加しているんだよね。
中川貴恵:
音大の1年生のときでした。先代から、精神修養だから来いって言われまして…。氣は、実験台として、よく受けさせられていました(笑)。氣を受けるといろいろと反応もありましたが、それが精神的なものともかかわっているとは、あのころは思っていませんでした。精神的に強くなれるなら行こうと思って、参加しました。
とにかく、人数が多いし、休み時間も短くて、気を張って受けていましたね。それでも、終わったら、身も心も軽くなっているのにびっくりしました。今までの自分は、鎧を着ていたみたいだって思いましたね。
中川:
貴恵は、両親と同居していたから、よく実験台になっていたので、氣のことについては、私より信じていたみたいで(笑)。あのころの私は、今、こんなことをやっているのが自分でも信じられないくらい、見えない世界には関心がなかったですね。体調が悪くなって、研修講座を受けて、人生がびっくりするくらい変わりました。
中川貴恵:
私は、霊的な現象もよく話で聞かされていたし、自分も、氣を受けると、ゴホゴホと咳き込むような反応が出ていたし、霊的な現象についても、そういうのもあるかなというくらいには思っていました。
研修講座を受けて、本当に前向きになりました。それまでは、いつも、こんなことをやるとつらいことがあるに違いないとか、悪いことばかりを先に考えていましたが、下田から帰ったら、自然の流れに身を任せられるようになりました。
中川:
下田での講座は、1994年4月までで、5月から奈良県の生駒山で行うようになりました。名前も、「医療氣功師養成講座」から「真氣光研修講座」に変わりました。内容も変化して、石井先生の内観や音感行法が入ってきたんですよね。

<後略>

(構成 小原田泰久)

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