今月の対談「いい人いい話いい氣づき」

2013年1月 「秦 万里子」さん

秦 万里子(はた まりこ)さん

1956年生まれ。国立音楽大学ピアノ科を卒業後、ボストンに留学し、アメリカ音楽を学ぶ。帰国後、女の子を授かり、育児に専念。その後、音楽活動を再開。身近な題材を自らピアノを弾きながら歌うスタイルが評判となり、2007年から主婦を中心とするコーラス隊を結成する。2009年に「半径5メートル物語」でメジャーデビュー。2010年NHK 総合テレビの「歌うコンシェルジュ~あなたに番組案内~」のコンシェルジュ役として活躍。著書に、「半径5メートル物語」(幻冬舎)「気づき・つまづき アラッ! エッサッサ」( ヤマハミュージックメディア)などがある。http://www.hatamariko.com/

『主婦たちの目線で。半径5メートルの日常を歌う音楽家』

おしゃべりをしているように自然に詞や曲が出てくる

中川:
“半径5メートルの日常を歌う音楽家〟というのが秦さんのキャッチフレーズだそうですね。主婦目線で書かれた詞が多くて、きっと、主婦の方は、「そう、そう」とうなづきながら、秦さんの歌を聴いているのではないでしょうか。普通なら見過ごしてしまうような日常の何でもないようなことを、うまく詞にして、それをテンポよく歌って感動させるというのは、すごい才能だと思います。52歳でメジャーデビューして、次々とCDや本を出され、NHKの「歌うコンシェルジュ~あなたに番組案内~」のコンシェルジュ役で出られたり、各地で主婦たちのコーラス隊を作られたり、大活躍ですね。
小さいときから歌を作ったり歌ったりするのがお好きだったのですか?
秦:
3歳のころからピアノを習っていました。でも、譜面通りに弾くよりも、自分が好きな音楽を好きなように弾くのが好きでしたね。自分で「白雪姫」のお話のそれぞれのシーンに合わせて、ここはこんな感じと想像しながら曲を作って弾いていました。ですから、私の譜面立てには、いつも絵本が乗っていましたね(笑)。5歳のときの発表会では、自分で作った曲を弾きました。
中川:
それはすごいですね。5歳で、もう作曲をしていたということですね。
秦:
私は、ピアニストよりも、作曲家になりたいと思っていたみたいですね。ピアノを弾くときは、楽譜が正解で、楽譜通りに弾かないと、間違いとされます。でも、作曲家には正解がありません。自由に音楽を作れます。とにかく、小さいころから、決められたことをやるのが苦手でしたね。
中川:
そういうことが基礎にあるから、秦さんの即興で作った歌がみなさんにうけるんでしょうね。ライブでは、お客さんに5分くらいインタビューして、その方の歌を作ってしまうのだそうですね。
秦:
みなさん、驚かれますが、私にとっては、おしゃべりをしているように自然なことです。考えなくても、詞や曲が出てきてしまいます。気をつけるのは、その人をけなさないこと、最後にきちんとオチをつけること。それくらいですね。ほかは、何も考えずにやっています。スイッチが入れば、一日いくらでも作れます。自動販売機みたいなもので、100円玉を入れてボタンを押せばいくらでも出てきます(笑)。
たとえば、ちょっと風邪気味で、鼻水が出てきたとしますね。鼻水ってどこからくるのかなと疑問に思うわけですよ。すると、それが歌になってしまいます。Where does hanamizu come from?って曲を作りましたから(笑)。
中川:
ふっと疑問に思ったことが、すぐに歌になるんですね。だから、半径5メートルの出来事を次々と歌にできるんでしょうね。
秦:
子どものころから、言葉遊びは好きでしたね。学校でもつまらない授業のときは、先生の名前をいろいろと言い換えたりしながら遊んでいました。
中川:
小さい頃というのは、変わったお子さんだったんでしょうね。
秦:
自分ではよくわかりませんが、小学校のときの同級生に会うと、「秦さんは反応がすごく面白かった」と言われます。何か質問すると、突拍子もないような答えが返ってきたりしたのだそうです。
子どものころ、ピアノを一緒に習っていた方がコンサートに来てくださいました。何十年ぶりかの再会ですよ。終わったあと、その方は、「あなた、全然変わってないわ。小さいころとまったく同じことをしているし、同じように輝いている」と言ってくださいました。小さいころも今も、勝手に歌って勝手にしゃべって、ピアノの前では勝手に弾いている。そのスタイルは変わらないんでしょうね。
ほかにも思い出すのは、地下鉄に乗ると、知らない子にも片っ端から声をかけるような子だったことですね。「お友だちになりましょう」とか「どこで降りるの?」とかね。それでいて、一人でいるのも好きだったから、友だちと遊ばずに、音楽室でピアノを弾いていたりしました。やっぱり変わった子どもでしたよね(笑)。

(後略)

(2012年10月16日 東京都 港区のNYパワーハウスにて  構成 小原田泰久)

著書・音楽CDの紹介

○ 気づき・つまずき アラッ! エッサッサ ~キラキラ生きる61の考え方 - ヤマハミュージックメディア
○ 秦 万里子ソングブック 今日にありがとう-やさしい女声合唱で- 河合楽器製作所・出版事業部
○ 半径5メートル物語 - 徳間ジャパンコミュニケーションズ
○ あ・な・た - NYパワーハウス
○ mottainai - NYパワーハウス
○ 主婦たちへの応援歌 - 徳間ジャパンコミュニケーションズ

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