2003年7月「奥 健夫」さん
- 奥 健夫(おく たけお)さん
1965年茨城県生まれ。1992年東北大学大学院工学研究科原子核工学専攻博士後期課程修了・工学博士。1992年京都大学工学部金属加工学教室・助手。1994年京都大学大学院工学研究科材料工学専攻・助手。1996年スウェーデン・ルンド大学化学センター第二無機化学科、国立高分解能電子顕微鏡センター・博士研究員。1997年より大阪大学産業科学研究所・助教授、現在に至る。
『現代科学において最大の謎は「人間の意識と生命エネルギー」』
それまでの物質科学の授業内容をすべて変えてしまった
- 中川:
- はじめまして、中川です。本誌に「臨床レポート」を連載してくださっている、麻酔科医師・西本真司先生にご紹介いただきました。本日は大変お忙しい中をどうも有り難うございます。
- 奥:
- 西本先生とは国際生命情報科学会(ISLIS=International Society of Life Information Science)で、お会いしました。この学会の方々で、氣に関心をよせていらっしゃる先生は多いですね。¥r¥n今までもいろいろ議論してきたのですが、氣とは何か、氣の本質は科学的にどうなのかということは、結局分かっていないということは皆さん分かっている(笑)。いろいろな現象を追って証拠を積み重ねていって、間接的にでも証明しましょう、ということでやっています。
- 中川:
- ISLISですか、以前ISLISの会長をなさっていた河野貴美子先生と対談をさせていただきましたが(編集部注・本誌1999年11月号に記事掲載)、工学系や医学系の研究者の方が多く、計測されたデータに基づいて論じるというスタンスで行っている学会だとうかがいました。¥r¥n直接的に証明することは難しいですが、体験というかたちで氣の存在を感じる方は多いようですね。西本先生は、ご自身の潰瘍性大腸炎快癒をきっかけに氣に関心を持たれて、私の父である先代が行っていた合宿制の研修講座に参加されました。その後、医学的見地から実験データを出していただいたりして、そういういろいろなお話を含めて、研修講座で講義をしていただきました。¥r¥n先日、西本先生も一部執筆なさった奥先生の本が刊行され、私も読ませていただきましたが、奥先生はその1年前にも、意識、魂の重要性にアプローチする本をお書きになっているそうですね。
- 奥:
- はい、『知的生命情報概論 意識・生命エネルギーの原理と応用』という本を大学院の学生さん4人と書き、三恵社というところから出しました。
- 中川:
- 先生のご専門は工学部で、何か材料関係の研究をなさっているとうかがいましたが、工学部の大学院でそういう本を作られたというのは、どういうことなのでしょう。
- 奥:
- 知能機能創成工学専攻における授業の一環としてまとめたものなのです。3年前までは、物質科学を中心としながら、半年間で太陽電池、半導体デバイス、核融合エネルギー・高温超伝導、超微粒子・クラスター・フラーレン、原子配列、クオーク・量子宇宙、生命の起源・脳・心・コンピュータ、自己管理・研究論などの授業を行ってきました。
しかし、私がずっと興味を持って抱えていたテーマに思い切って迫ってみようと思い、2年前に今までの物質科学の授業内容をすべて変えてしまって、「人間の意識・生命エネルギーの原理解明及び応用」を授業目的としたのです。
それまでは20人ほど居たのですが、私の提案に興味を持った学生さんが4人残ってくれました。後期の授業だったのですが、学生さんは徹夜をしたり本当にハードでした。この時期は、目の前に就職を控えて大変なときですからね。
単位が取りやすくて、いい成績を付けてくれる先生に、学生さんの人気が集まるのですよ。それが、良い条件で就職する近道ですから。でも私は、授業はハードですし、成績を付けるのも厳しいという評判でしたから、本当に興味を持ってくれた学生さんだけが残ったのです。 - 中川:
- 就職するとさらに厳しい環境ですから、学生時代は、本当に学びたいことを自由にのびのびと研究してもらいたいものですね。でも、いい学校に進学して、いい会社に就職して、という教育が小さい頃からなされていますから、お父さん、お母さんの意識から変わることが必要でしょうね。(著書を手にしながら)400ページもあり、立派な本にまとまりましたね。学生さんたちもずいぶん喜ばれたことでしょう。
- 奥:
- ええ、大学院の研究・演習で忙しい中での執筆で苦労しましたから、それだけに本が出来上がったときには大喜びで、「これからは、優雅な印税生活だ」なんて。もちろん、そんなことはありませんけれどね(笑)。
「意識」「生命エネルギー」をキーワードとして、人間というものを今一度見直すというテーマにそれぞれが全く異なる観点で取り組んできましたから、内容は統一されていませんが、あえてそのままで編集をしました。
多数の著書やインターネットによるホームページなど膨大なデータを使用させていただいていますが、昨年3月までISLISの会長を務めてくださっていた、放射線医学総合研究所生体放射研究室室長の山本先生に、いろいろとアドバイスをいただいたりお世話になりました。 - 中川:
- ああ、山本幹男先生ですね。山本先生も、氣に関心を持たれて、もう10年も前になりますか、先代が千葉で行ったセミナーにいらっしゃり、その後に私どもの合宿制の研修講座も体験されておられ、交流がありました。
- 奥:
- そうですか。いろいろなご縁で繋がりがありますね。
<後略>
(2003年5月6日 大阪大学産業科学研究所にて 構成 須田玲子)