8月「川嶋 朗」さん
川嶋 朗(かわしま・あきら)さん
1957年東京都生まれ。東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授・医学博士。北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学入局。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院、東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長などを経て2014年から現職。『医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト』(角川SSC新書)『代替療法で難病に挑む』(ペガサス)『難病に挑むエネルギー療法』(幻冬舎)など著書多数。
『新型コロナウイルスを教訓に、医者も患者ももっと賢くなろう』
死ぬということに限れば、新型コロナウイルスは怖がらなくていい
- 中川:
- ご無沙汰しています。新型コロナウイルス(以下コロナ)で世界中が大騒ぎになっていますので、お忙しいとは思いましたが、先生はこの騒ぎをどう考えておられるのかお聞きしたくてうかがいました。
- 川嶋:
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うちもそうですけど、どこの医療機関も今は暇ですよ(笑)。みなさん外へ出るのを怖がっているんでしょうね。医者へ行くのは不要不急だってことですよね(笑)。最初は、今までにないルスだったのでどうしていいかわからず右往左往していた感がありましたが、時間がたってかなりのことがわかってきました。
まずわかったのは、コロナに感染したら死んでしまうという恐怖はあまりもたなくていいということです。毎年流行するインフルエンザですが、去年も一昨年も、1月2月の2ヶ月間で2000人ほどが亡くなりました。インフルエンザ関連で亡くなった人は、年間では1万人はいますよ。それと比較してコロナによる死者は1000人弱です。 - 中川:
- 新型ということで、不安ばかりが広がった感じがしますね。テレビでも不安をあおるような報道が多いですしね。
- 川嶋:
-
死ぬということに限って言えば日本では怖がらなくていいと思います。今年はインフルエンザがすごく少ないと思いませんか。去年も一昨年もワクチンや薬があって、先ほど申し上げたようにたくさんの死者が出ています。今年はインフルエンザによる死者が減っています。コロナに感染したくなくて、みなさんが予防したからインフルエンザも少なくてすんでいるのではないでしょうか。
手洗い、うがいをきちんとして、濃厚接触を避ければインフルエンザもコロナもかなり予防ができるということがわかりましたよね。マスコミにはそのことをもっと言ってほしいです。 - 中川:
-
そういう報道があれば、みなさん安心しますよね。 - 川嶋:
- 社会は安全ではなく安心を求めますからね。インフルエンザはワクチンや薬があるからたくさん亡くなっていても安心していられます。コロナは死者数は少なくても治療法がないから安心ができない。だから大騒ぎするんでしょうね。
- 中川:
- 安心できないと不安が募って冷静に考えられなくなるんでしょうね。
- 川嶋:
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熱が出たからと大慌てで来院した患者さんがいました。PCR検査を受けたいって言うんですね。だけど、コロナの場合、指定感染症になっていますから、もし陽性という結果が出たら少なくとも2週間は隔離されます。それでもいいんですか? と聞きますと、やっぱりやめると言って帰って行かれました。コロナを指定感染症にしてしまったから、まったく症状がなくてもPCR検査で陽性になると隔離になります。軽症患者で病院のベッドがふさがると、重症患者を入れられなくなってしまいます。
私には、WHOがなぜこんなにも大騒ぎしたのかわかりません。死亡者の数からしてもがんや心臓病や脳血管障害の方が圧倒的に多いじゃないですか。それに、8割は重症化せず治っているんですよ。何をこんなに大騒ぎしたんでしょうね。
亡くなった方も骨になるまで帰れないじゃないですか。亡くなって、棺桶の中であれば、接触感染も飛沫感染もないと思うんですけど。よくわからないですね。 - 中川:
- 用心するに越したことはありませんが、亡くなった方とお別れできないほどの警戒をしないといけないのか、そこは冷静にリードしてほしいと思いますね。
- 川嶋:
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万が一コロナに一人でも感染すると問題になるからでしょうか。責任逃れの極みです。もう一度言いますが、日本では死ぬということに限って言えばコロナを怖がる必要はありません。
お風呂でおぼれ死ぬ人が年間4~5000人います。コロナで亡くなる人の4~5倍です。コロナが怖いと言う人に聞いてみたくなります。毎日、溺れる心配をしながらお風呂へ入りますかって。そんな人いないでしょ。コロナで死ぬのは、お風呂で溺れるよりも低い確率ですから、お風呂で溺れるなんてありえないと思っている方は、コロナで死ぬことはもっとありえないことになります。
予防すれば感染も非常に少ないこともわかっているわけですから、密集を避け、手洗いをしっかりとやっていればいいと思います。
<後略>
2020年6月5日 東京都渋谷区・東洋医学研究所附属クリニックにて 構成/小原田泰久

著書の紹介
「難病に挑むエネルギー療法」 川嶋 朗(著) 幻冬舎
共存することが大切だと思います。
先生の書かれた『よきことはカタツムリのように』(春秋社)という本を読ませていただきました。先生は20年以上も前から、スローな生活にシフトチェンジしたほうがいいと唱えておられます。
先生のご専門は文化人類学ですよね。
これまでの人類の歴史を振り返っても、こんな時代はなかったのではないでしょうか。現代は科学技術が発達して、生活がとても便利になっていますが、科学技術だけでは環境問題は解決できそうにありませんね。 
みなさん、明治維新のことは学校の歴史で習ったと思います。日本が大きく動いた出来事でした。維新を成し遂げた人たちは、後世、ヒーローとしてもてはやされています。日本にとっては近代化の重要な節目ではありましたし、多くの人の輝かしい活躍もありました。しかし、実際には国内を二分する戦争だったわけで、勝者の栄光のドラマだけでなく、その陰ではたくさんの方たちがつらくて悲しい思いをしたはずです。そこになかなか意識が向かないのも現実です。
斗南へもたびたび足を運びましたが、あまりにもひどい歴史なので触れないようにしてきたということもあって、最初はなかなか話してくれませんでした。会津藩は賊軍だから、ときの政権を批判するようなことを言うのは好ましくないという風潮もあったでしょう。でも、私は新聞記者ですから、たくさんの会津人の末裔の方に会って話を聞き、資料を調べたりするうち、いろいろなことがわかってきました。中には、最初は口が重くてなかなか話してくれなくても、少しずつ話すうちに「かわいそうだ、かわいそうだ」といって突然、泣き伏す人もいました。地べたに手をついてオンオン泣くのです。いかに無念であったかという事でしょう。胸が締め付けられました。
薩長にとって和解という選択はありませんでした。徹底的に叩こうとしました。そうしないと革命は成立しません。その標的に会津がなったわけです。
ありがとうございます。私は16歳のときに名字に興味をもちましてね。以来、半世紀近く名字を研究しています。珍しい名字は限りなくあって、珍名を探すのは昆虫や植物の新種を追いかけるのと同じですよ。この名字のルーツは何だろうとか、興味は広がっていくし、終わりのない研究ですね(笑)。
それで珍名さんに出あうんですね。
世界でも日本の名字の数は特に多いそうですね。 
そうなんですよ。太極氣功18式のビデオのカバーに使いたいので書くように言われて、何枚か書いたうちの1枚を先代が選んで、いつの間にか、看板に使われるようになったのでびっくりでした(笑)。
貴恵は私とは10歳違います。赤ん坊のときには、私がおしめを取り換えたこともあります(笑)。
2011年の大震災のあと、老人ホームへ行くことが多くなり、母が通っていたデイサービスの施設でも歌っていました。
見てきました。ホピの大地のエネルギーはすごかったですね。あるところでは、写真を撮ろうとしたらシャッターが切れませんでした。私のカメラだけじゃなかったので、何かエネルギーの影響があったのかなと思います。
2006年まで現役で、エンジニアリングとエンジニアリングマネージメントの仕事をやっていました。父は、今で言うサイキックな力がありましたから、私としては、子どものころから、見えない世界があることは刷り込まれていました。ですから、サイキックな現象については、殊更不思議に思うことはありませんでした。そういうことをあまりベラベラとしゃべると人から変な目で見られるということを、後から学んだくらいです。
目に見えない世界のことが科学的に説明されるような内容だったんですか。
1988年に、上海で第二回国際気功検討会というのがありまして、私も日本気功協会の山本理事長に誘われて参加したんですね。がん患者を集めて氣功をやっているというのが少しずつ知られるようになった時期で、ぜひ上海でしゃべってほしいと言われましてね。でも、開業医ですから、なかなか病院を空けられません。最初は断っていたんですが、どうしてもと言われるので、しぶしぶ参加しました。そしたら、そこにはなかなか個性的な方が集まっていましてね。中川さんでしょ、それに大阪の吉見猪之助さん、名古屋の林茂美さん、京都の山内直美さん、それに湯浅泰雄先生がいましたね。小原田さんとも、そこではじめて会いました。
中国へ視察に行ったのは1980年です。都立駒込病院にいたころですね。外科医として、たくさんのがん患者さんの治療をしていて、医療技術も急速に進歩していましたので、がんが撲滅できる日は近いと思っていました。しかし、現実には再発して戻ってくる患者さんがたくさんいて、ちょっと方向性が違うのではと思うようになりました。それで、西洋医学とは考え方の違う中国医学を学んでみようという気持ちになったんです。中国医学というのは、氣功ばかりでなく、漢方薬や鍼灸、食養生といったものがありますね。でも、私は、氣功のことを知って、中国医学のエースは氣功だと思いました。
先生には、先代の時代からいろいろとお世話になってきました。つい先日(12月11日)が、先代の命日でした。まる7年になります。早いものです。
ホリスティックな話ということですけど、どんなお話をされるのですか。